今回の話ではなんと、サッカーチームなのに野球の練習をするという展開です。
とはいえ、当然サッカーにも関連する話ですよ、もちろん。
キーワードは深視力と俯瞰力です。ちなみに俯瞰力についてはすでに第2話でちょろっと出てきます。
第4話
東京クルセイドの指導者である高橋は、沖の見えている世界を伝えるために野球の練習に誘います。
高橋が打つボールをグローブでキャッチしようとするも、大半のメンバーはうろたえるばかり。
そりゃ、いきなり野球をやらされて面食らわない人の方が珍しいと思いますよ。
そんな中で沖千尋はどこにボールが落ちてくるか、落下点を正確に予測して見事キャッチ。
どよめくメンバーに高橋が伝えたことは、深視力のたまものだということ。
ちなみに深視力とは作品の言葉を引用しますと、「相対的な距離感や位置関係を見極める能力」(106ページから引用)ということです。
なんだか難しそうですが、運転中右折する時も対向車のスピードを見ながら今右折できるのかできないのか自然とドライバーは判断します。
大型トラックの深視力試験とは次元が異なるかもしれませんが、要は動く物体が何秒後にどこに到達するか予測すると考えています。
もう完全に数学や物理のレベルですよね。
そして出ました、俯瞰力。
沖千尋は試合中のコートを自分の視点だけでなく、上から見下ろしたようなとらえ方で見ているのではないか、と高橋は指摘します。
普通に試合だけしていたら当然そんな視点は生まれてきません。
そうなると実際にスタジアムに足を運んで上から見る、テレビの中継でシュートシーンを選手視点と上空視点から見るということが必要になります。
たぶん自分の脳に「目で見た高さだけでなく、上から見たサッカーコートを想像するクセ」と言うものを刷り込んでいるのでしょう。
だからこそ、俯瞰力が身についたのではないかと思います。
凡人だから俯瞰力がつかないというわけでなく、日々のイメージトレーニングによって沖はもともとの能力をさらに伸ばしたのではないでしょうか。
まとめ
サッカーというと技術と運動神経がすべてかと思いましたが、脳に「もののとらえ方」をすりこんだり意外と科学的なアプローチも必要だということがわかりました。
そしてボールをけるということ、野球の投球には複雑な視点が必要であり、ひとつひとつの動作を連携させていかなくてはならないという結構ハイレベルな動きであることもわかりました。