今回の沖は「どうしてサッカーにそこまでこだわるのか」がわかるエピソードが出てきます。
前回の話とリンクするかもしれませんが、ここにも根深い親子問題が隠れているようです。
フットボールネーション~一ノ瀬の回想
今回は横浜ユナイテッドで活躍する一ノ瀬と、沖の幼少期の話です。
ちょっとネタバレですが、実は一ノ瀬は家庭の事情でサッカーをやめようかというところまで追い詰められています。
なにせスポーツ系の月謝は高いですからね。一ノ瀬はその当時同居していたおばあちゃんに迷惑をかけられないと沖に伝えます。
酷な現実に直面したらたいていしおれてしまうのが子供ですが、沖は違いました。
沖はなんと、監督の弱みを握っていたので、サッカー以外に使っている「余計な」お金を一ノ瀬に回すよう言ったのです。(ここはコミックスで確認してください)
この時の沖と一ノ瀬はよくて小学校高学年から中学生、それなのに大人の弱みを知ったうえで脅迫にならないよううまい具合に自分の要求を通します。
もし沖がサッカーに打ち込んでいなかったら、道を踏み外していたのではないかと思うくらい、沖はめちゃくちゃ頭がいいんです。ああ、怖い。
沖の決断
その後一ノ瀬は不良に街中でからまれ、とある事件(とはいえ正当防衛)を起こします。
そのとき機転をきかせて沖が罪をかぶります。一ノ瀬の将来がかかっていること、目撃者がいないことをあげて一ノ瀬を逃がした沖はあえて警察に捕まるのです。
このときの沖は医学部を目指せるような名門高校に通っていたでしょうから、事件を起こしたと聞いた周囲は相当おどろいたでしょう。
一ノ瀬は沖が罪をかぶったことに対する申し訳なさもあったでしょうが、「自分よりもサッカーの才能がずば抜けている沖」が目の前にいるプレッシャーに苦しめられていました。
反対に沖は、罪をかぶって捕まることで「医学部へ行け」と干渉し、サッカーを見下す父を心底失望させられると喜んでいたのです。
お互いに交錯する思いがとにかく複雑ですが、なにがなんでもサッカーをやるんだという沖の決意と行動がすごすぎます。
そして一ノ瀬もこんなバケモノクラスのプレイヤーが横にいたら落ち着かなかったでしょうね。
なんとなくサッカーをやっているだけだったのに、横でめちゃくちゃ応援してくる天才プレーヤーに技量の差を見せつけられる。
一ノ瀬の自覚としては凡人なんでしょうが、そこで腐らずに努力できるのだからやはり実力あるプレーヤーだと思います。
まとめ
今回はサッカーに対する沖と一ノ瀬のスタンスが明らかになったエピソードでした。
それにしても警察に捕まれば父親に失望されて思う存分サッカーができる、と思い込むあたり沖のサッカー熱はすさまじいですね。
ユースのセレクションに落ち、父からもなじられながらどうしてこれほどまでにサッカーに夢中になるのか。
今後明かされていくといいですね!